12月4日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】赴任間もないシェル石油役員の米国人スタヘリさん殺害事件を捜査するリオ治安局殺人課のマッシャード刑事は二日、被害者の長女(一三)から正式供述を取るまで帰国を差し止めるよう裁判所へ要請した。長女が警察で脅迫電話があったと話したことで、事件に何らかのかかわりがある重要参考人と、ガロチニョ保安長官もみている。
事件で不審とされる点は一、侵入するのに家屋に破損がない。二、宅地内への侵入で塀に飛び越えた形跡がない。三、凶器がない。四、被害者二人に抵抗した形跡がない。五、コンドミニオと邸宅に入るとき、誰にも見られていないこと。
殺人課は犯人断定の段階ではないが、現場を熟知している者の犯行と結論した。家屋侵入のとき破損の跡が全くないことで、邸宅内に居た者の協力を得た。入り口のドアは中から誰かが明けないと、外から開かない仕組みになっている。犯行後、裏側の塀を乗り越えて逃走した形跡もない。
邸宅の使用人夫妻の可能性は低いと当局は発表した。使用人夫妻の指紋も血痕も見当たらない。遺体の枕元には純金の腕時計と高価なネックレスもあったが、犯人は触れていない。凶器は小おのとみて、付近の池を捜索している。
同邸宅には監視カメラが設置されているが、家族の移転前に故障し修繕してなかった。ほかに同邸宅に出入りしたのは、家の修築をした左官がおり警察の事情聴取を待っている。