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コラム 樹海

 グアタパラ農事文化体育協会(文協)は、日本移民百周年の記念事業をしっかりと決めた。笠戸丸、およびそれ以後に渡航し、旧グアタパラ農場に配耕された先輩移民の足跡を調査し、後世に伝えることである。およぶ限りモジアナ線全域に調査の範囲を広げたいとしている▼事業推進にあたり、同文協は、ブラジル日本移民百周年記念祭典協会に、会員として参加する。協会に対して、初期移民の調査を事業案として出し、よしんば協会が動かなくても、自身たちがそれをすすめる決意でいるのではなかろうか▼旧グアタパラ農場には笠戸丸移民九十二人が配耕された。最盛期には五百家族もの日系コロノが就働していたといわれる。九十五年後の今、設備のほとんどが取り壊され、旧農場主邸宅敷地に日本大使らが記念に植えた木が残っているのみである▼文協が心を痛めているのは、旧募地に埋葬されたままになっている先輩移民の無縁仏の遺骨である。七七年に一部を発掘し、現在の墓地に移葬したが、残りは放置されたままだ。文協としては土地の所有者に対し修復を、また州政府に譲渡を受ける方法がないか、と働きかけている。今後の仕事がし易いからある▼三十八年ほど前、海外移住事業団サンパウロ支部(当時)には、戦後のグアタパラ移民が、よりよい事後指導を求め、ひんぱんに要請に来ていた。いま出稼ぎ現象があるとはいえ、生活は落ち着き、先達の足跡調査に目を向けている。ぜひ達成してほしいと思う。(神)

03/12/05