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パネトーネ 「トーニのパン」=ミラノから世界中に広がる

12月6日(土)

 パパイ・ノエル(サンタクロース)やアルヴォレ・デ・ナタル(クリスマスツリー)のほかに、欠かしてはならないのはパネトーネ(菓子パン)。ブラジル人が大好きなパネトーネは、16世紀にイタリア・ロンバルディアで初めて作られた。パネトーネの由来とされる話は数多くあるが、もっとも有名なのはある若者の恋愛だろう。
 昔昔・・・。トーニという名の貧しい青年は、イタリア北部ミラノのパン屋の一人娘に恋をした。
 トーニは娘を嫁にもらいたかったが、娘の父親は大反対。そこでトーニは自分もパン屋になり、おいしいパンを作って父親に結婚を認めてもらおうと思った。
 さまざまな失敗の末、トーニは偶然にもパネトーネの原型の菓子パンを作り出した。少々こげていたが、ミラノの人々に大変気に入られ大成功。パンの上部が教会の丸天井に似ているこの菓子パンは、町の人たちの間で人気の的となり、娘の父親もやっと結婚を認めてくれた。
 ミラノの人たちは、この菓子パンを〃パネトーネ(トーニのパン)〃と呼び、世界中で知られるようになったという。
 パネトーネのレシピはイタリア式が有名だが、独自のパネトーネを作る国もある。ポーランドでは、〃markowec〃というポプラの種が入った菓子パンを作る。
 ブルガリアでは、硬貨をパネトーネの中に入れる。夕食の始め、家族の最年長者がパンを分け与える。硬貨が入ったパンをもらった者は、一年間の成功を約束されるという。
 ドイツでは、〃stollen〃という、ピーナツクリームや干しぶどう、クリスタルフルーツ、レモンとオレンジの皮を細く切ったものなどが入ったパンが好まれる。
 ラ米では、〃pan dulce de navidad(クリスマスの菓子パン)〃というイタリア版のパネトーネに似たパンが作られるが、パンの生地や中に入れる身が少し違う。
 「パネトーネのレシピ」(Dr. Oetker提供)
 [材料]
 卵▼4個
 イースト菌▼1袋
 小麦粉▼1キロ
 砂糖▼スープさじ12杯
 塩▼コーヒーさじ1杯
 バニラエッセンス▼デザートさじ1杯
 クリスタルフルーツ▼200グラム
 牛乳(暖めたもの)▼500ミリリットル
 レモンまたはオレンジの皮を細かく刻んだもの▼適量
 [作り方]
 (1)大きな器で卵、小麦粉、砂糖、塩、バニラエッセンスを混ぜる。
 (2)イースト菌を暖めた牛乳100ミリリットルに溶かし、生地に加える。残りの牛乳も加える。
 (3)よく練ってから30分寝かす。
 (4)クリスタルフルーツやレモンまたはオレンジの皮を混ぜる。
 (5)生地を2つに分けて、1キロ分のパネトーネにふさわしい型に入れる。
 (6)さらに生地を寝かしてふくらませる。生地は倍増するまで待つのが目安(約2時間)。
 (7)表面にナイフで軽く〃×〃マークを入れ、あらかじめ暖めてあった180度のオーブンで約40分焼く。   (ジアーリオ紙系ジャー誌)