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カンタレイラ複合貯水池 ついに水位1.6%=過去最低を記録=マイナスゾーンの水供給も

12月9日(火)

 【アゴーラ紙八日】降雨不足や水道の使用の増加、さらにサンパウロ州水道局(Sabesp)の計画性のない水道管理によって現在、大サンパウロ市圏のカンタレイラ複合貯水池の貯水量が非常に危険な状態にある。
 一日、同貯水池の貯水量は、総水量の一・六%に達した。これは、過去最低の水位。その後数日間の降雨で少々上がったものの、七日の時点で三・一%のみだった。先週の水位の平均値は総水量の二・五%。一年前の平均貯水量は二八・六%で、現在は二〇ポイント以上も下回っている。
 水道局によると、カンタレイラ貯水池での年平均降水量は千四百五十一・七三ミリリットルである。しかし、一九九八年以来、この雨量に達していないという。昨一年の雨量は千九十六・四ミリリットルと少なかった。
 水道使用量も過去数年間に増加しているが、給水量が需要についていっていないのが現状である。水道局によると一九八六年、サンタ・イネス・ダムは毎秒二万二千百リットルの水量を生産していた。現在では毎秒三万千三百八十リットルまで生産を増加した。
 この毎秒一万リットルの格差分は、バイア州サルバドール市とサンパウロ州サントス市の人口を合わせた約三百万人の都市を給水するのに十分な水量である。これだけの給水を増やしても、給水人口には追いついていない。
 サンパウロ大学(USP)元教授で水資源専門家のアウド・レボウサス氏は、「カンタレイラ貯水池の水不足問題などは、事前に投資をしておけば免れることができたもの。専門家はこの時期に干ばつがあることを知っていたはず」と批判している。
 解決策として、カンタレイラ貯水池以外の場所から配水することを勧めている。「水道局はそれすらしなかった」。
 水道局側は、最悪の事態に達した場合には、貯水量には加算されていない分の水も使うという。水位ゼロよりも低いマイナスゾーンにある水のことである。レボウサス氏は、「できれば使わない方がいい」と警告している。
 天気予報によると、サンパウロ市は九日(火曜日)に時々雨が降るという。十日(水曜日)は雨になるもよう。