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インジオ言語絶滅の危機=若者の使用が存続のカギ

12月9日(火)

 【フォーリャ】ペルーと隣接三カ国に住む約八百万人のインジオが話すケチュア語が絶滅する恐れがあると米国の研究者二人が科学雑誌「ネイチャー」に発表した。
 ケチュア語の衰退を記録したデータがなかったので、二人はペルーの教会を訪れ、インジオの言語で最後にミサを行ったのはいつかを神父に尋ねてデータを収集した。それからデータをゲール語の衰退記録と照らし合わせ、地位の高い言語が低い言語と接触した場合、低い方の衰退は避け難いというモデルをそこに確認した。
 現在、ケチュア語と、それに対抗するスペイン語の話者数は調査地域ではほぼ拮抗している。しかし、ケチュア語話者の多くは孫と話ができず、ケチュア語の地位は下がっており、それは二〇三〇年までに絶滅する可能性があるという。
 アマゾンの言語を研究している米国の言語学者、ムーア氏は、同モデルは二重言語主義と多重言語主義を考慮に入れていないと指摘する。「シングー族の場合、多くの言語が安定した状態で共存している。場所によっては言語の使用状況が似通っていることを二人は示しているだけだ。しかし、言語の存続はそれを使う若者の数とそれがまだ支配的であるという社会的コンテクストによって決まる」と同氏は述べ、絶滅の恐れがある言語を守るには、二重言語教育を推進する必要があることを訴えている。