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エンブラテル=買収への動き激化=年金基金も名乗り

12月10日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙九日】ブラジルの長距離電話会社最大手、エンブラテルの従業員で構成される年金基金(Telos)は八日、投資家連合を結成し、同社の経営権を獲得する意志があることを公表した。投資家連合に加入する投資家たちは明らかにされなかった。
 経営権獲得の提案は十一日にも同社を保有する米国企業、MCIに対して行われる見通し。同基金のヴィエイラ会長は基金の約一〇%(二十三億レアル)を経営権獲得に使う考えを表明した。現在、同基金による同社株の保有は九%に満たない。同基金に加入する従業員の経営参加によってエンブラテルを再び国内資本の支配下に置けることから、同基金は政府の支援を求めるとみられている。
 同基金の経営権獲得乗り出しは市場には快く受け止められず、エンブラテルの株価は八日、五・六%下落した。
 エンブラテルは、不正会計のスキャンダルでたたかれた親会社、MCIの経営再建の一環として、〇三年十一月十二日に売りに出された。エンブラテル買収には最有力のメキシコ企業、テルメックスをはじめ、国内の電話会社三社(テレマール、テレフォニカ、ブラジルテレコム)、ポルトガルテレコムが名乗りを上げている。最低売却価格はまだ決まっていないが、株式市場で売り出される株は約四億レアルに上るとみられている。