12月11日(木)
【ヴェージャ誌】サントアンドレ市のセウソ・ダニエル前市長殺害事件を捜査していたサンパウロ州検察局は、同件を単なる拉致殺害と処理した連邦警察の結論に反し、前以て周到に計画された謀殺だと結論した。検事らは事件の夜、同行した友人のセルジオ・G・シウヴァを、有力容疑者として再審理することを発表した。
犠牲となった前市長はサントアンドレ市政で辣腕を振るい、ルーラ大統領の選挙戦でも重要な役割を果たした。フランシスコ会の敬虔な信徒で、不正資金に興味を持つ人物ではなかった。前市長の死去により、PT政権の後任財務相に選ばれたのがパロッシ氏だ。
前市長の周辺は、サンパウロ州検察局によって再捜査された。友人のシウヴァを主犯とするグループは、友人の立場を利用して同市内の路線バス会社から献金を強要した。不正資金の徴収が、前市長に発覚して殺害へつながったと検察局は結論した。
シウヴァは二十八日、証人ではなく殺人容疑者として検察局へ召喚された。前回の現場検証では、シウヴァの三菱車は前市長が乗った側のロックが壊れていたと証言した。ディラーも立ち会った結果、正常であり証言はくつがえされた。事件のとき、前市長側のロックは内側から開けられた。
前市長の殺害前にグアルーリョス刑務所からフェイトーザとセヴェロ拘置者らは、ヘリで脱走した。前市長を殺害するためにシウヴァの指図で奪回された。供述ではセヴェロが、前市長を殺害した。その後アラゴアスで拘束され、刑務所内で殺害された。フェイトーザはシウヴァと十年以上の知己があり依頼殺人は何度も請け負っていると、係官に対し供述した。
前市長の拉致殺害の計画と実行は、セヴェロが行った。殺人依頼の報酬は、前市長と依頼人の乗っていた三菱車の後部座席に置いてあると連絡を受けていた。セヴェロらは指定の場所で待機して、誘拐劇を演出した。依頼殺人の生き証人は、今はフェイトーザのみ。
殺害されたセヴェロの未亡人は夫の生前、シウヴァから費用を全額受け取っていると弁護士から聞いたと供述した。夫のことは、善処するから心配しないよう言われたという。
シウヴァと前市長の関係は、前市長第一期の一九八九年から運転手兼ガードマン主任で始まった。その後、側近に昇格。前市長が下議に当選すると、秘書として議会工作に努めた。市長第二期の一九九六年は財務担当の選挙参謀として陰の人物となった。
事件当時は役職はなく、常に周辺で前市長の友人のように振る舞った。市の認可を得て営業する会社の共営者へ、横滑りしていた。また市の運営メカニズムの中に汚職の構造を築き、不正資金を蓄積していたのを前市長から咎められたと、市長の実兄が告発した。