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利益生むGM大豆=95年ブラジルで初栽培

12月11日(木)

 【ヴェージャ誌】南大河州クルース・アウタ郡で農業を営むベノ・アルンス氏(七〇)は一九九三年、米国を旅行した。遺伝子組み換え(GM)で、農薬不要の大豆が米国に存在することを聞いた。帰国後の一九九五年、アルゼンチン在住の兄を訪ねた。隣国にはGM大豆が栽培されており、種子三俵を入手した。
 試験的にGM大豆を栽培し、六十五俵を収穫した。農薬を使わないので原価は安く、利益が多いことを知って満悦だった。友人らにも種子を分けた。国家的大問題に発展するとは知らず、クルース・アウタ郡でGM大豆の栽培が始まった。
 現在ではモンサント社が、GM大豆の種子を供給し市民権を得ている。同社の種子で栽培したGM大豆に対し、同社はローヤリティの支払いを請求している。GM大豆の利益の中には、技術開発料も含むという。 
 GM大豆の作付け面積は、予想より多い。南大河州産大豆の九〇%がGMだ。同州にとどまらず、パラナ州やバイア州、ピアウイ州へもGMは広がった。生産者の間ではGMとは知らず、農薬が不要で生産原価が安く利益の多い大豆としてうわさが広まった。生産者がGM大豆に注ぐ熱気は、収拾がつかなくなった。
 もう一つの侵入ルートは、ウルグアイ人セルジオ・マトゥロが一九九六年、密輸GM大豆百二十俵をジュリオ・デ・カスチーリョ市へ持って来たことに始まる。当時、在来種が一俵二十五ドル。マトゥロは二百ドルで売った。翌々年には、百二十俵が二十万俵になった。小粒で収穫量が多く、アルゼンチン産なので大豆〃マラドーナ〃と命名された。