コラム　オーリャ！

　ポンペイアの本紙代理人・通信員、茂木元二郎さんが、さきごろ亡くなった。八十二歳。戦前の子供移民、いわゆる準二世だった。邦字新聞では戦前移民の代理人は数少なくなっている。
　二年ほど前、循環器系の病気で倒れてからも、ボールペンで現地のイベントなどを中心に書いて送ってきた。判読できないくらい文字が乱れていることもあり、無理をしないで、と言いたかったが、あまりにも熱心だったので、茂木さんの気持ちにまかせていた。「書かないで」といえば、失意したにちがいない。今、そうしないでよかった、と思っている。
　書くのが、そして書いたものが活字になるのが、心底好きだった。こういう人が、いい意味で〃新聞バカ〃である。茂木さんは、本紙関係では、このバカの最高齢者だった。　　　　　　　　（神）

03/12/11