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コラム 樹海

 日本の政府が自衛隊をイラクへ派遣すること決定した。この閣議決定はイラク特措法が成立した時点で予測できたことだが、小泉首相の歴史的な決断を評価したい。イラクはまだテロが相次ぎ国連も撤退したし赤十字も攻撃を受けたりもしている。このために「戦争は続いている」や「危険」の見方もあり、日本の有力紙の意見も真っ二つになっている▼自衛隊の海外派遣には慎重であるべきは論を待つまい。首相も閣僚たちも、反対論をも含めた多様な議論を展開したに違いない。そうした過程を経てたどり着いたのが、国際協調と日米関係の重視という結論であった。小泉首相は国民に理解を求める会見で「(危険だから)人的貢献をしない。金だけ出せばいい」という状況にはないと語り、自衛隊派遣の必要性を訴えた▼これは海部内閣のときに起きた湾岸戦争の際に百十億ドルもの資金を提供したにも拘わらず人的な派遣をしなかったために多くの国々から批判を受けたのを踏まえての発言である。ひとつ注意したいのは、自衛隊がイラクへ行くのは「戦争をするためではない」ことである。陸海空自衛隊の任務は医療、給水、学校などの復旧などの人道支援に限られる▼イラクには米軍を軸に三〇数カ国が軍隊を派遣し活躍しているのも見逃せない。今のイラクには秩序の回復と復興が第一であり、人道救援を目的とする自衛隊の働きが、この輝かしい歴史を誇る国の手助けになると信じる。    (遯)

03/12/11