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サントアンドレ市 市長謀殺で友人告訴=えん恨で犯行計画=市の汚職とがめられる=連警の誘拐殺人説覆る

12月12日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】サンパウロ州イタペセリカ・ダ・セーラ地方裁判所のルイス・M・プレステス判事は十日、殺されたサントアンドレ前市長の友人セルジオ・G・シウヴァ容疑者を謀殺容疑者とする検察局の告訴を受理した。前市長の〃影〃と呼ばれた同容疑者は起訴され、被告人となった。検察局によれば、同容疑者は市行政内に汚職システムを築いたことを、前市長にとがめられたとしている。

 検察局の告発によれば、容疑者は実行犯らに報酬を払い、前市長を殺害するために誘拐拉致を演出した。前市長は市行政内につくられた汚職構造を知り、不正行為を防止するために措置を講じることを側近らに通告した。これは、単なる誘拐犯罪と結論づけた連邦警察と市警の犯罪調書とは、異なる内容となった。
 裁判所は、前市長の殺害にかかわった七人の告発も受理した。調書には、実行犯セヴェロ容疑者とシウヴァ容疑者の間を結ぶ電話連絡があったとする盗聴記録もある。通話明細書では、実行犯が送信した局番とシウヴァ容疑者が受信した局番は一致した。これが、容疑者と実行犯を結び付ける証拠となった。
 シウヴァ容疑者の部下が、犯罪現場に同行していたことも確認された。システムSP043で、部下と犯人らの電話連絡も盗聴した。拘束中の殺害共犯者らは異口同音に、犯罪組織の首領イヴァン・R・シウヴァが依頼を受けた殺人だと供述した。殺害後、要人と知って驚いたといっている。しかし、依頼人が逃走経路や資金で事後の善処を約束したと告白した。
 シウヴァ容疑者の弁護人は直ちに、人身保護令を申請し起訴の棄却手続きを行うと述べた。検察局の審理は警察の捜査だけを根拠とした一方的内容で、法的に無効とする抗弁を行う。
 さらに弁護人は、精神異常の殺人常習犯らの供述だけを取り上げていると抗議した。供述ではシウヴァ容疑者が依頼したとは、ひとことも言っていないという。告発は先入観でシウヴァ容疑者を犯行の依頼人扱いにし、どのように行われたかは一切触れていないと反論した。