12月12日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】下院憲法・法務委員会(CCJ)は十日、スピード違反を犯した運転者に対する行政処分(罰金など)を軽減する法案を可決した。
現在のブラジル交通法(CTB)では、スピード限度を二〇%まで超した運転者は重度の違反を犯したとみなされ、五点引かれる。また、収税指標単位(Ufir)百二十倍に相当する罰金百二十七・六九レアルが科される。
だが同案では、この場合、中度の違反とされ、引かれる点数も四点に下がる。罰金もUfir八十倍の八十五・一二レアルと安くなる。
また軽減案では、スピード限度を二〇%から五〇%まで超える場合、現在のCTBのように最重度の違反にはならない。現在のCTBでは、二〇%以上超えれば最重度の違反になる。
減刑案の場合、最重度の違反は、スピード限度を五〇%以上超えた場合にみなされ、罰金額はUfir五百四十倍(五百七十四・六一レアル相当)、運転免許証も没収される。
行政処分軽減案を出したベット・アウブケルケ下院議員(PPSB)は、「時速九十七キロのスピード違反者と時速百四十キロの違反者を同等に扱うのは不公平である。行政処分を公平にするのがこの案の目的」だと説明している。同案は全員一致で可決され、これから上院での表決待ちとなる。
一方、国立交通局(Denatran)のアイウトン・B・ピーレス理事は、「交通安全のためにならない法案である。上院側と話し合って、否決されるように促したい」と反対の姿勢を表明。「行政処分を軽減する案はよく出るが、公民が交通事故に遭わないようにする規制案はほとんど出たことはない。運転者の運転能力を向上し、交通取締りを厳しくし、交通教育に投資するということはせずに、法を緩和することしか考えない」と厳しく批判した。