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農地改革は失敗=35%が入植地を放棄

12月16日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙】農業経済が専門のエコノミストで、九五年に国立植民農地改革院(Incra)を陣頭指揮したグラジアーノ・ネット氏は、土地を持たなかった農民数千人が入植したパラー州、北東部地方を実地調査し、その結果を著書にまとめた。
 その中で、同氏はブラジルは農業を知らない人間に土地を与えることに資金を浪費していると警告している。「農地改革は素晴らしいという考えがブラジルにはあるが、農地改革は完全に失敗だ。何もうまく機能していない」。
 同氏によると、入植地の生産性は最低で、多くの場合持続的生活が成り立たないという。入植者の生活は食糧がある点で都市の失業者よりましだとするMST(土地占拠運動)の主張とは逆に、同氏はファベーラよりひどい状況で生活している入植者たちを見たと話した。「ファベーラでは何とか生活でき、電気のある生活を享受できる。パラー州では入植地の半数で電気が引かれていない」。
 入植者の三〇%が入植後に生活が厳しくなり、三五%が入植地を離れ、残った人の多くが第三者に土地を貸していると同氏は評価する。「入植地で二千頭の牛を飼っている一人の農場主にあったことがある」。 農地改革のコストは入植家族当たり平均で五万レアルと、他の社会プログラムより高い。例えば家族支援金計画のコストは家族当たり月二百レアル、年間二千四百レアルに過ぎない。「土地を放棄する人間を入植させるのに五万レアルも使っていてはだめだ」。
 農地改革が徒労に終わる理由の一つは入植者の選択の誤りにあると同氏はいう。「農民でもなく、農地に入ったこともない人間が入植者に選ばれている。パラー州では金採掘場の失業者が入植している。ただの失業者が入植してもうまくいくはずがない」。
 だからこそ、都市の失業問題の解決を農地改革の目的とする考えに同氏は異議を唱える。現在、農業を営むのは容易なことではない。農業知識と栽培技術、市場へのアクセスが必要なのに、選ばれた入植者は農民としてふさわしくない。「ブラジルにもはや田舎はない。田舎に戻りたいと思う人間はそう多くはない」。

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