12月17日(水)
発足したばかりの全伯日本研究学会(二宮ソニア代表=ABEJ)の第一回日本研究発表が十一日午後六時半から、サンパウロ市の国際交流基金サンパウロ日本文化センタ―で開催され、約五十人が参加した。
この学会の目的は、アカデミックな世界に留まらず、広く一般に日本研究を普及し、歴史、政治、経済、社会、文化人類学、日本語などにまたがる学際的な研究を促進することなどだ。
第一回となる今回は、五人の講師が発表した。(1)アレシャンドレ・ラツオ・ウエハラさん(政治科学)「日伯関係―歴史、分析と展望」、(2)ニュートン・ヒラタさん(政治科学)「黙認に基づく技術革新―コチア産組を例に」、(3)クラウス・ブルーノ・チエデマン(心理学)「千と千尋の神隠し―作者の、または主人公の夢?」、(4)アウミール・アウマス(コミュニケーション)「日本のデジタルTV」、(5)フェルナンド・カルロス・シャーマス(文化・芸術)「日本の仏像彫刻」。
当日は、リオやブラジリアからも参加者があり、時間を大幅に超える熱い発表に、みなが聴き入った。日本文化に興味を持つブラジル人も対象にする研究なので、発表はすべてポ語。二宮会長は「記念すべき第一歩がしるせて嬉しい」とあいさつし、今後の発展を誓った。
第二回の日本文学研究発表は来年三月四日、第三回の日本語と教授法研究発表は三月十一日に予定されている。問い合わせや発表希望者はテレーザ・エンドウさん(terezae@fjsp.org.br)まで連絡を。