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高金利で財政立て直す=経済発展妨げる重税

12月18日(木)

 【ヴェージャ誌】政府は国際金融市場で見事に信用回復を達成したが、国内市場の景気回復ではいま一つだ。ブラジルは財政立て直しを優先したため、景気後退と失業者のはんらんという高価な代価を払った。国際信用を保つために、国民は身を切られるような苦しみを味わったのか。これが次の経済発展の地盤なのか。
 ブラジルの経済発展を妨げている原因の半分は、政府要人や議員らの現実を無視した振る舞い。本人らは歯牙にも掛けていない。残り半分は、本人も認識しているが反省の様子は全くない。ブラジルは民主主義国家というが、まだ画餅に過ぎない。疲れきった国民から、政府は重税を搾取し官僚が飽食している構図は一向に変わらない。
 国際通貨基金(IMF)は、途上国の税収が全歳入の二〇%を超過するのは非合理的だとみている。税自身は仕方ないが、税収と個人所得の釣り合いが崩れると問題だ。先進国の税率は全般に高いが、個人所得も大きい。ブラジルの個人所得二千九百ドルクラスの国と比較すると、六倍の税率だ。
 ブラジル人の税負担は中国人の五倍、メキシコ人の三倍、チリ人の二倍だ。国内総生産(GDP)に対する貯蓄率は一八%、中国は四〇%、ロシアは三四%。経済史では、貯蓄が二五%以下で発展した国はない。ブラジルが経済成長率三・五%を達成するには、最低二二%の貯蓄率が必要だ。
 国民性として貯蓄が無理なら、外資を導入したらという。しかし、ブラジルの実質金利(基本金利からインフレ率を差し引いた金利)は一〇・九%で世界最高。この金利では経済活性化は期待し難く、雇用創出も困難と予想される。
 政府もようやく税金が、高いことを認識したようだ。GDPに対する税収も十月の三六・五%を限度とし、増税を止める考えらしい。その前に政府の肥満体質を、改善しなければならない。減税は、短期にできない。
 しかし、年金改革が引き金となって、減税傾向は始まると思われる。GDPに対する税収が、二〇%から二五%に定着するには十五年はかかると思われる。