12月18日(木)
【ヴェージャ誌】労働裁判所の監督官は通告により、ブラジリア市郊外にあるマウリシオ・デ・コレイア最高裁長官の別荘を訪れた。管理人が監督官に付き添った。司法官不信が国中を席巻しているいま、長官の別荘を点検した。
管理人夫妻をはじめ、使用人九人は全員未登録。INSSもFGTSも払っていない。未成年が許容以下の百二十五レアルで就労していた。国家の法の番人ともいうべき最高裁長官の別荘が、この体たらくだ。これで労働法の三項目と連邦令の一項目に抵触する。
使用人らは長官が良い人で、満足しているという。法律は無情なものもあるが、法は法。連邦令によれば、十六歳以下の未成年の就労を禁じている。たとえ半日勤務でも、最低賃金以下の給与支給を禁じている。これは法律が、雇用創出の妨げになっている例だ。
長官の別荘では豚を飼育し、食肉処理もしていた。衛生条件の全く整っていない屋外で、処理の現場を衛生局の監督官に咎められた。汚物は、首都上流の小川へたれ流していた。それから長官は、養豚を中止した。
労裁の監督官が訪れたとき、屋敷内に小さな礼拝堂を建築していた。建築に携わった左官は全員、未登録。左官の棟梁は、長官の使用人ではないと監督官に食ってかかった。長官から仕事をもらえるだけで、有り難いことだといった。
長官は別荘のことは娘婿に一任しており、詳細は知らないと述べた。婿は棟梁の名前も住所も知らないし、請け負い金額も覚えていないという。塗料店の紹介で工事を依頼し、手書きの契約書は交わした。どこに保管したか覚えていないし、契約書は登記してない。サインも認証していない。