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コラム 樹海

 ブラジルでは「飛行機の発明はサントス・ドゥモン」となっているが、この国の発見者がポルトガル人のカブラルと同じくかなりあやしい。飛行距離は確かに短かったし飛行の見学者も少なかったが、やはりここはアメリカ人のライト兄弟の偉業を称えたい。一番初めに空へと向かったのは弟のオービルさんで滞空は十二秒、飛行距離は三六メートルの記録が残っている▼「フライヤー」と名付けられた飛行機は十二馬力のエンジンを搭載した二七五キロの複葉機であり、写真で見るとまるで玩具(おもちゃ)のように見える。翼には布が張られた木製のライト機が初めて飛行し人類の夢を実現したのは一九〇三年は十二月十七日の午前十時三十五分だったそうだ。今年はちょうど一〇〇周年にあたる。この飛行の成功はライト兄弟の意向もあったらしく、長く公表されなかったらしい▼あの頃は世界の人々が「空への憧れ」を抱いていたらしく、いろんな国々に真実の中へ伝説めいた挿話を交えた話しはいっぱいある。日本にも有名な職人がいてあるいはライト兄弟に先駆けて「大空の英雄」になっていたかもしれない。そんな昔への想いを駆り立てるような試みが十二月十七日にアリカで行われようとしている。ライト兄弟が成し遂げた偉業に「フライヤー」の復元機で挑戦するという素敵な大冒険なのである。まだ詳報は入ってはいないが飛行が成功すれば――いや失敗しても。大いなる話題になり地球を沸かせるはずだが―。十一日付けの「樹海」にある百十億ドルは、百十億円につき訂正致します。  (遯)

03/12/18