12月19日(金)
「できれば世界中にアピールできる祭り(百周年)にしたい」。十六日に来社した西森ルイス弘志パラナ州議(PSDB、パラナ文化運動連盟理事長)は熱い思いを語る。初めての立候補で繰り上げとはいえ就任し、はや五カ月が過ぎた。パ州唯一の日系州議として、日系団体代表として、超多忙な日々を送っている。先月訪日した際、最古参の日系政治家である上野アントニオ元連邦下議から〃後継ぎ〃として紹介された。今後の活躍が最も期待される政治家・日系リーダーの一人に、百周年を含めた今後の抱負を聞いた。
百周年事業に関して「今まで通り、パラナはパラナでやりたい」と語る。
「サンパウロの百周年祭典協会に反対するものはないが、リーガ(パラナ文化運動連盟)もアリアンサ(パラナ日伯文化連合会=嶋田巧会長)も入らないと思う。あくまで自分たちの力で成功させたい」。大きな集客をみなかったサンパウロと違い、九十周年式典にカルドーゾ大統領を招き、傘下の八十六日系団体が結束して約四万人を集めた実績がそのベースにある。
百周年記念塔の建立、パラナ日伯大学建設など漏れ伝わる独自の記念事業はあるが、「現段階では正式に発表できるものではありません」という。しかし、来年一月に予定されているリーガとアリアンサ双方の総会では、その一端が披露される可能性があるとも。「ガッチリ土台を作ってから、カッチリやっていこうと考えています」。
「百周年はまず第一に移民としてこられた先駆者たちのものです。と同時に、日系のものだけでなく、ブラジル社会とのインテグラソン(統合)の祭りでもあります。できれば、世界にアピールできる場、ブラジルに感謝する場、日系社会の将来を考える場にしたい」と力を込める。
一つの方向性として、イベント会社とタイアップして、大イベントにすることも検討されているそう。
また、リーガ、アリアンサがセブラエ(零細企業支援サービス)と協力して、大規模な「デカセギ問題実態調査」を行うことも最近決定された。帰国後の社会再適応や子弟の問題が焦点となる。調査資金はある国際銀行が拠出することになっているそう。
先月は自身を含めた三人の州議で使節団を組織して訪日。上野元連邦下議の第三十一回パラナ友好経済使節団と合流して、各地を訪問。その時、上野氏から〃後継ぎ〃として紹介された。今年、姉妹都市提携三十周年を迎えた兵庫県加古川市からは、マリンガに国際交流協会を組織する協力金ももらい、現在その方向で協議が進められているそう。
「農、工、スポーツだけでなく、日伯交流に力を入れたい」と熱く語った。