移民史料館で一番高価なものは何か?「東郷青児画伯の絵画かな」と中山保巳前副館長。東郷画伯の最後の作品となった、移民の歴史を描いたパノラマ画だ。
二科会の会長をつとめた重鎮もブラジルの移民状況には疎かったようだ。
例えばフォイセ。振り上げ方は縦ではなく横に使い、大木を切るのではなく、潅木をなぎ払う物。
例えば切り株。斧で倒した大木の切り口はあのようにきれいではないなどなど。農業に携わってきた生き証人たちの指摘だ。
当時活躍していた移民画家たちに描かせるのが”移民”史料館の本筋。画家たちが自分たちに描かせるよう署名運動を起こしたが、実らず今に至る。
生き証人たちの言葉は、重く鋭い。新聞を書く身として身が引き締まった。 (佐)
03/12/20