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マナティー絶滅の危機=ブラジルはわずか500頭

12月23日(火)

 【ヴェージャ誌】国立自然環境保護院(Ibama)が公表した絶滅の危機に瀕する生物リストに掲載されているカイギュウ(マナティー)は、ブラジルの沿岸に生息する哺乳動物五十種のうちで、短期間で絶滅する危機が非常に高い、唯一の動物とみなされている。
 同リストにはクジラやイルカも掲載されているが、それらの生息数は徐々に回復しつつあるか、安定を維持している。カイギュウは過去にブラジルの沿岸ほぼ全域にわたって数多く生息していたが、現在では推計で五百頭に満たない。
 カイギュウはアラゴアス州とアマパ州の沿岸、しかも海水温度が高く、浅瀬で、餌にする海草が豊富にあるという、環境条件が特別に整った場所でしか生き残れない。だから保護活動も失敗に終わる可能性は高い。
 カイギュウが激減した過程は植民活動のそれと一致する。ブラジルの植民地時代、カイギュウの肉は部位によって牛肉や豚肉、魚肉と似た味がしたためにヨーロッパ市場で高く売れ、カイギュウ自身の脂肪で煮込むと肉は数ヶ月間も日持ちすることがわかったので、何トンもの肉を積んだ船がヨーロッパを目指した。
 繁殖サイクルも絶滅の危機を招いた要因とされる。雌のカイギュウは一回の出産で子どもを一匹しか生まず、妊娠期間は十三ヵ月、二年間は子どもに授乳するため、一頭繁殖するのに最低三年はかかるためだ。
 ブラジルではカイギュウの捕獲が六七年に禁止された。しかし、カイギュウの追跡調査や保護活動を定めた「カイギュウ計画」は八〇年になって初めてIbamaに策定された。生息数が少ないため、追跡調査ははかどらず、保護活動も時間との戦いを余儀なくされている。

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