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サンパウロ市地下鉄に融資検討=国際協力銀行=アウキミン州知事と視察=来年4月日本で調印か=2億9百万ドルを貸付け

12月23日(火)

 サンパウロ州政府は、サンパウロ市西部のヴィラ・ソーニアと同中心部のルースを結ぶ地下鉄4号線「リーニャ・アマレーラ」建設計画を進めているが、十九日、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事と同工事への融資を保証する国際協力銀行(JBIC=本店東京)リオデジャネイロ駐在員事務所の職員らが面談、現地調査を行なった。一行は地下鉄リーニャ・ヴェルメーリャのバーラ・フンダ駅からブレッセル駅まで乗車、その後、バスに乗って駅建設予定地のヴィラ・ソーニア広場を訪れた。また、現在、工事中のチエテ川流域環境改善事業を視察した。

 リーニャ・アマレーラは全長一二・八キロ。ヴィラ・ソーニアからモルンビー、トレス・ポデーレス、ブタンタン、ピニェイロス、ファリア・リマ、フラジッケ・コウチーニョ、オスカール・フレイレ、パウリスタ、イジエノーポリス、レプーブリカ、ルースまで計十二駅を結ぶ。
 建設工事は二段階に分けて行なわれ、総工費は第一段階・十九億レアル、第二段階・十二億レアルの計三十一億レアル。世界銀行のほか、JBICの保証付きで三井住友銀行がサンパウロ州政府に二億九百万ドルを貸し付ける。
 第一段階ではヴィラ・ソーニアほか、ブタンタン、ピニェイロス、パウリスタ、レプーブリカ、ルースの五駅を建設。駅予定地から二百二十七の建造物が立ち退くという。工事開始から四十二ヵ月かけて完成、当初は十六台の電車が運行されるらしい。一日九十六万四千人の利用が予想されている。第二段階では残り六駅を三十六ヵ月計画で建設、新たに八台の電車を導入する予定。
 十九日、アウキミン州知事とJBICリオ事務所から、岡本巌理事、細島孝宏調査役、西山洋平所長、小野高央駐在員らが出席。一行はバーラ・フンダ駅からブレッセル駅まで乗車、地下鉄の現状をみた後、発着駅となるヴィラ・ソーニア広場を訪れた。西山所長は、「来年四月ごろ、アウキミン州知事が日本に行くような機会があれば、それに合わせて調印を交わしたい」と語った。
 また、一行は、九百四十九億円の借款で建設が進められているチエテ川流域環境改善事業を視察した。アウキミン州知事は、「工事以来、去年あたりから洪水が起こっていない。日本の協力に非常に感謝している。来年八月完成を目指したい」とした。