12月25日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】ルーラ大統領は二十三日、二〇〇四年を「雇用創出の年」とすることを誓った。大統領はサンパウロ市グリセリオ街の廃品回収組合を訪問し、雇用抜きの経済成長は片手落ちだと訴えた。不況脱出のため経済の活性化にだけ目が向き、社会問題がなおざりにされたと述べた。技術革新の攻勢で能率と生産性の向上を図り業績は上げるが、雇用は一顧だにされないと発展の矛盾を指摘した。
経済成長も大切だが底辺の人々が取り残されることは、政権の任にあるものの悩みだと、大統領は語った。世界的傾向として、企業は技術革新により雇用を行わず人員削減をし、生産性と利益を上げていると訴えた。雇用を伴わない経済成長は、ゆがんだ発展だという。
パロッシ財務相はPT幹部会で、二〇〇四年は経済の発展が期待されるが失業率も増加すると警告した。企業は業績の回復に伴い、人員削減のため設備投資を行うとみられる。景気が回復しているのにもかかわらず、企業では人員整理が行われると予測した。
選挙公約では、百万の雇用創出を旗印に掲げた。大統領は、労働組合や社会団体などの雇用創出の専門家を総動員して、雇用キャンペーンを行うと提案した。廃品回収業者に呼びかけ、組合の設立と廃品の加工を促した。付加価値の創造で多くの利益を得、後続の同業者を指導するように、大統領は要請した。廃品加工による家具や置物の売店落成式に、大統領は出席し感極まった様子であった。
大サンパウロ市圏の失業率は十月の二〇・四%から十一月一九・九%で、やや好転した。十一月に好転した理由は、三万四千人の雇用と一万九千人の稼働人口減少によるとみられる。工業が十一月、六万一千人を擁し最大所帯となっている。
例年の年末臨時雇用は商業でもサービス業でも、十一月の統計にまだ表れなかった。二〇〇四年初期の雇用については、関係者が懐疑的だ。臨時雇用が整理されることで、また二〇%代へ戻ると予想される。