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中銀、外貨準備回復へ=市場見てドル買い=為替介入説を強く否定=レアル貨暴落は必至

1月8日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】ブラジル中央銀行(中銀)は六日から、ドルを金融市場から購入すると発表した。最近減少傾向にあるブラジルの外貨準備を回復させるのが目的。中銀側はこれまで、「為替交換率をコントロールするつもりはない」としてきたが、ドル買いによってレアル通貨が暴落することは必至だとされている。

 エンリッケ・メイレーレス中銀総裁は、「ブラジルの為替では変動相場制があらゆる経済面での取引に用いられているため、ドル相場に介入する意思はない」と言明している。しかしながら、同総裁によると、ドルの需給が高くなればなるほど、ドル相場にもそれだけ圧力がかかると説明している。
 「(中銀がドルを購入することによって)為替に影響が出ることは避けられない。だが中銀には、為替交換率を操作する意図はない」と、メイレーレス総裁は断言している。
 ドル高になれば、ブラジル側の輸出に好影響をもたらし、外債のバランスをうまく保つことができる。政府内部には、このような中銀の積極的な市場介入を求める人物がいる。ルイス・フェルナンド・フルラン開発相である。「米貨相場を約三レアルに維持すれば、輸出促進になる」と、過去に幾度か発言したことがあった。
 メイレーレス総裁は、中銀の積極的な介入が、〃ブラジルに寄せられている信頼感の高まり〃によって可能になったと説明している。同総裁の言う〃信頼感の高まり〃とは、投資家がブラジルの経済情勢に楽観的になり、ドル安やブラジル外債の高騰などに至った最近の傾向のことである。「ブラジルおよび国際市場が、回復しつつある」。
 ドル買いは毎日行なわれるわけではない。「ドル購入は、市場の動きなどの要素を考慮してから実施される」という方針だ。
 外貨準備とは、通貨管理局が保有している資金、外貨資産、金塊である。(1)外為相場の安定を図るために使われる外為市場への介入資金、(2)他国に対する外貨建債務の返済が困難な場合に使用する準備資産、などが、外貨準備の主な用途である。ブラジルの場合、対外債務の月々の返済額は、この外貨準備から支払われている。
 だが昨年から、外貨準備高の減少を防ぐために、国庫はドル購入を幾度もしてきた。これによって、対外債務の一部を決済するのが政府の目的だった。
 国際通貨基金(IMF)への返済額(昨年度千百二十万ドル)を差し引いたブラジルの外貨準備高は、昨年の決算で百七十三億ドル。一九九〇年代には六百億ドルに達したが、ブラジルを襲った幾たびの経済危機の影響で、中銀はレアル暴落を防ぐため外貨準備を使ってきた。