1月9日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙・エスタード・デ・サンパウロ紙八日】国際労働機関(ILO)が七日に発表した地域別労働市場調査の結果、〇三年一―九月の間にラテンアメリカ諸国には千九百万人の失業者がおり、失業率は一一%に達したことが判明した。〇二年同期の失業率は一一・二%だった。
失業率がわずかながらも改善したのは、アルゼンチンやチリといった国々の失業率が低下したことによる。アルゼンチンでは景気回復により、〇二年に二一・五%だった失業率が〇三年には一五・六%に低下している。
しかし、失業率の改善は労働条件の改善につながらず、逆にそれは悪化した。ILOによると、新規雇用十件のうち、七件は非正規雇用で、労働者の五割以上が非正規従業員だという。また、最低賃金の購買力は一・六%低下、工業部門の労働者の実質所得は四・八%減少した。
失業率は調査対象国十一カ国のうち、五カ国で上昇した。ブラジルもベネズエラ、ウルグアイに次いで上昇した国の仲間に入り、〇二年から〇三年にかけて失業率は一二%から一二・四%に上昇。上昇はしたが、調査対象国の失業率ランキングでは第六位だった。
失業のあおりを最も受けたのは女性と若者だった。ラテンアメリカ諸国では三人に一人の若者が失業中だという。ブラジルは若者の失業率が高い六カ国の中に入っている。十八歳から二十四歳の若者の失業率は〇二年の二一・八%から〇三年には二三・五%に上昇した。
ILOはラテンアメリカ諸国の今年の平均失業率を一〇%と見込んでいる。各国別では、ブラジルは一一・七%、アルゼンチンは一四・五%、チリは八%、メキシコは二・六%。〇四年に失業率が下がる見通しは、GDP平均成長率を三・五%と予想しているため。ILOによると、ブラジル、エクアドル、メキシコは〇四年に大幅な経済成長が見込まれ、アルゼンチン、チリ、ペルーでもGDPは増加するという。