1月9日(金)
日本からブラジルへの移民の歴史を写真などで展示する「移民記念館」が〇三年十二月十四日、愛知県小牧市のヴィラ・ノヴァ・ショッピングセンター内にオープンした。在日ブラジル人起業者協会(ABCジャパン、事務局・横浜市)が企画、記念館の開設は群馬県大泉町のブラジリアン・プラザに続き、二ヵ所という。〇三年十二月二十日付、インターナショナル・プレス・オンラインなどが報じている。
小牧市の移民記念館は、ブラジルへの日本移民九十五周年、日本へのデカセギ現象十五周年を記念して開設された。同館では移民の歴史に関する写真やビデオなどを展示している。
開館セレモニーで在日ブラジル総領事のエウリッコ・デ・フレイタス氏は、常設展示を「ブラジルにおける日本移民の叙事詩」と呼称、ブラジル人たちに記念館を訪れ、そこが何を言おうとしているか学ぶよう勧めた。また、特別来賓のサンパウロ大学、東京大学の教授、二宮正人氏は、日本移民とデカセギ現象の間に似通ったものがあると指摘した。
一九五〇年代、十八歳でサンパウロ州カフェランジアに移住したサトウ・ヒロシさん(六六)は、同郷の人々が騙され、また、絶望の淵に追い込まれて自らの命を絶ったことを目の当たりにしたと証言、日本移民の労苦を語った。