1月10日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日~九日】ジョゼ・ジルセウ大統領府官房長官は八日、政府与党との交渉に拍車をかけ、十日までに内閣改造を形付ける姿勢を見せている。同長官は十二日にルーラ大統領が安心してメキシコを訪問できるように、同日行われるはずのブラジル民主運動党(PMDB)幹部らとの会議を十一日夜に早めた。大統領の旅行後、内閣改造実行委員会が、新大臣候補などと交渉すれば内閣改造はほぼ完了という段階まで運ぶのが目的とされている。
今回の会議に向けて、ジョゼ・サルネイ上院議長(PMDB)とPMDB幹部らと事前に行われた会話の中で、ジルセウ長官は国家統合省の大臣職を同党員に渡す可能性を示した。
現在、同省の大臣であるシーロ・ゴーメス氏は社会主義人民党(PPS)党員だ。同党が政府の野党に回ると噂される中、政府はシーロ氏の待遇に気を配っている。
シーロ氏の次期職として予想されるのは現在三職ある。予測される内閣改造後の態勢を掲載する。
(1)予算管理省の大臣に就任し、現大臣のギード・マンテガ氏は社会経済開発銀行(BNDES)総裁に任命される。(現在のBNDES総裁はカルロス・レッサ氏である)
(2)開発・産業・貿易省が、開発省と産業・貿易省の二つに分けられる計画がある。それが実施された場合、シーロ氏を開発相にする。現在の大臣、ルイス・F・フルラン氏は、産業・貿易相となる。
(3)過去に計画されていた社会活動省(仮名)が創設され、リカルド・ベルゾイーニ現社会保障相が新省の大臣に就任した場合、シーロ氏が社会保障省の大臣になる。この考えには、パロッシ財務相が賛成していないという。
社会活動省は、社会発展援助省(ベネジッタ・ダ・シウヴァ現大臣)と食糧問題特命省(ジョゼ・グラジアーノ現大臣)を統合させてつくられる予定。
また、ジルセウ長官は八日、自由党(PL)と進歩党(PP)の幹部らとも会談した。
PPは、同党から一省の大臣を出すことを望んでいるとジルセウ長官に伝えた。PP党首であるペドロ・コレーア下院議員は、十四日に再度ジルセウ長官と話し合う予定だが、PPの狙いが(1)農務省、(2)科学技術省、(3)通信省、(4)鉱山動力省(優先順位)だと明らかにした。
ルーラ大統領は昨年末、「内閣改造は小規模なものになる」と声明していたが、大臣らとの会議などの結果、考えを改めたもよう。
内閣改造の規模の拡大の見通しが強くなったことで、大臣職をめぐってプラナウト宮に対する圧力が強くなった。そのため政府は、与党政治家を省庁にうまくおさめるために、〃椅子取りゲーム〃を実施する。
ミーロ・テイシェイラ現通信相は、大臣職から切られるのを恐れて、民主労働党(PDT)を脱党した。PDTが「ルーラ政権のやり方にもっと反対意見を述べろ」と示唆したからだ。
しばらくの間どの党にも所属せず、無党派でいる意向のテイシェイラ氏は、PMDBの下院リーダーのエウニッシオ・オリヴェイラ下院議員に通信省の大臣職を譲る見方が強い。テイシェイラ氏は、ルーラ大統領と会談して将来の行く先を決定する。今のところ(1)社会保障省の大臣に就く(シーロ氏の対抗馬)、(2)下院に戻って国会のリーダー(現在はPMDBのアミール・ランド上院議員が担当)になる、の二説がある。