1月10日(土)
ブラジル銀行のロベルト・デ・カミーロ・アジア地域取締役は八日夜、リベルダーデ区のニッケイ・パラセ・ホテルで日本国内での事業展開を説明。東京、浜松、名古屋、群馬、茨城、長野、岐阜の七つの支店で抱える顧客は約十一万人で、その九割を占める在日ブラジル人の本国向け送金額は、昨年一年間で約十億ドルに上ると述べた。同行を通したこの送金額は、デカセギ送金全体の七〇%を占めるという。「(経営戦略上)日本はアジアでもっとも重要な土地」とロベルト取締役は評した。
また、デカセギ送金の推移について、「十年前は一人平均で月千二百ドルという時代もあったが最近は四、五百ドルに減っている」と指摘。その一方で、インターネット・バンキングの利用者が増加していることから、「不況の中にもコンピューターを導入するなど生活環境は改善しているのではないか」との見方を示した。
「全国に二万五千台以上のATM(現金自動預払機)を設置する郵便局、三井住友銀行との業務提携を行っているし、出張サービスも充実している」と述べ、日本に進出している他ブラジル系銀行(バネスパ、ブラデスコ、スダメリス)と比較した場合、「支店数は群を抜く。業績も(バネスパを抑え)トップ」と誇った。
支店増設に関して、同席したリベルダーデ支店の畑中ジャーニ支店長は「今年中に二店開設される予定」との見通しを明らかにした。
また、昨年三月よりVISAと組んで日本国内で発行している「BB VISA―インターネショナルカード」について、ロベルト取締役は「利便性も高いが、住所、職業が不安定なデカセギたちの信用証明としても活用されていると思う」と述べ、事業の展開に自信を見せた。
この日の説明会には、浜松のマエムラ・エイジ、群馬の栄ラウロ明雄両支店長も出席。日系マスコミ各社、県連幹部、企業関係者ら六十人を集めた席で発表した。
会食で乾杯の音頭を取った県連の中沢宏一会長は、「きょうはロベルト取締役より日系コミュニティーを対象としたさまざまな支援事業の紹介もあった。わたしたちもフェスチヴァル・ジャポンでお世話になっている。今後も日系社会への貢献をお願いしたい」と語っていた。