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高齢者狙う詐欺急増=手口と予防策を紹介

1月10日(土)

 高齢者を狙った詐欺犯罪がここ数年、増加傾向にある。サンパウロ市警高齢者保護課によると、一九九九年に二百十二件だったが、昨年は十二月十六日までで四百十八件と約二倍。八日付、ジアーリオ・デ・サンパウロ紙で市警がさまざまな犯行手口を紹介、高齢者に注意を促している。
 犯行手口
 ▽年金1=国立社会保険院(INSS)に税金を支払っていない人に対し、「年金が受給できる」と持ち掛け、さまざまな口実で被害者に一部負担金を払わせる。
 ▽年金2=銀行や自宅前で年金生活者を待ち伏せ、組合団体の職員を偽って近付き、被害者に対し、「滞納されている年金の賃上げ分を受け取る権利がある」と話し掛ける。手続きのための書類や手数料を要請する。
 ▽謝礼=複数の犯行。一人が高齢者の近くで小切手を落とし、仲間が高齢者に「誰の小切手か」と訪ねる。小切手の持ち主を装った犯人が、高齢者と犯行仲間に「謝礼をしたい」と持ち掛け、二人を銀行に連れて行く。被害者に不渡り小切手を渡し、「後でお金と一緒に戻ってくるから」と嘘をついて、謝礼の受け取り保証として被害者のカバンなどを持ち去る。
 ▽宝くじ=犯人があらかじめ目星をつけていた被害者に、「宝くじに当たった」と電話で連絡、賞金を受け取るためには登録票に記入が必要とし、被害者の身分証明書の番号を聞く。番号は後に犯行に使用される。
 ▽顧客再登録=銀行職員を称する犯人が自宅に電話、「顧客の再登録作業をしている」とし、様ざまな書類番号を尋ねる。後に電話のプッシュボタンで銀行の暗唱番号を押すよう指示、その音から暗唱番号を割り出し、銀行口座から預金を引き出す。
 防犯対策
 (1)銀行で預金を引き出す際、絶対に一人では行かない。自動支払機は銀行内かスーパーマーケット内にある機械のみ使うよう心掛ける。
 (2)銀行や自動支払機に並んでいる時、他人と預金などに関する会話をしない。また、暗証番号を他人に教えない。知らない人から手伝いを申し出られても受け付けない。
 (3)分からないことがあれば、見通しのよい場所で、名札をつけた銀行職員に尋ねる。
 (4)スリに狙われる恐れがあるので、混雑した乗物を避ける。
 (5)人気のないバス停や薄暗い場所で、一人でバスを待たない。
 (6)車掌の近くに座らない。強盗は真っ先に車掌を狙う。
 (7)買い物の際、財布を見せない。小切手を記入する時、他人の援助を受け付けない。
 (9)いつも集団で歩くようにし、散歩の道筋や時間は毎回変えるよう心掛ける。知らない人からヒッチハイクを申し出られても受け付けない。