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諸団体の威信・影響力調査=マスコミが1位=福音教会の地位が急上昇

1月13日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】調査会社のダッタ・フォーリャは、0三年十二月に五つの州都(サンパウロ、リオ、ベロ・オリゾンテ、サルバドール、ポルト・アレグレ各市)で、十二の政治、社会、宗教団体の威信と影響力について二千九百五十人を対象に聞き取り調査を実施した。
 調査の結果、「最も威信のある団体」は以下の順位となった(カッコ内は回答率、%)。一位=マスコミ(七三)、二位=サッカークラブ(六六)、三位=カトリック教会(五九)、四位=大統領府と銀行・金融機関(五六)六位=ブラジル軍(四九)、七位=イグレージャ・ウニベルサル・ド・レイーノ・デ・デウス(福音教会の一派、四六)、八位=国営企業(四二)、裁判所(四二)、十位=国会(三八)、労働組合(三八)、十二位=政党(三四)
 「最も影響力のある団体」は、一位=マスコミ(七四)、二位=大統領府(六三)、三位=銀行・金融機関(六一)、四位=サッカークラブ(五八)、五位=カトリック教会(五六)、六位=裁判所と国会(五五)、八位=ブラジル軍(五一)、九位=イグレージャ・ウニベルサル・ド・レイーノ・デ・デウス(四六)、十位=政党(四六)、十一位=国営企業(四四)、十二位=労働組合(三八)
 前回の調査(九五年)と比較すると、イグレージャ・ウニベルサルが威信の点で十七ポイント、影響力の点で十ポイントと、十二団体の中で最も大きく、人々の間で評価を高めた。銀行・金融機関も威信の点で十三ポイント、影響力の点で七ポイントと大きく力を伸ばし、大統領府は威信の点で十五ポイント上昇した。逆にブラジル軍は影響力の点で六ポイント低下、順位は三位から八位に後退した。
 リオ連邦総合大学のヴェーリョ教授(文化人類学)は、イグレージャ・ウニベルサルの躍進について「イグレージャ・ウニベルサルはここ数年、貧しい人たちの教会という位置づけから脱け出して、現在、中流層の人たちをも取り込みつつある。それが威信の上昇につながった」と述べた。
 銀行・金融機関について、ミナス・ジェライス連邦総合大学のレイス名誉教授(政治学)は「銀行の影響力が七五%に達し、トップの座を占めた八七年の調査結果と比較すれば、銀行の地位は下がっている」とコメントした。
 軍以外のすべての団体で、威信、影響力が双方とも上昇している点を踏まえ、ヴェーリョ教授は現在個人が自立性を失いつつあり、団体に依存する傾向が強まっているのではないかと指摘している。