狂牛病(BSE・牛海綿状脳症)の牛、中国で猛威を振るった新型肺炎のハクビシン。それに鳥インフルエンザの鶏と近ごろは動物を通じての病気がやたらと多い。これまでは安全地域とされてきたアメリカでもBSEが発生し日本も輸入禁止の措置をとったが、その列島でも狂牛病が見つかり大騒ぎになったのは記憶に新しい▼そんなにところへ山口県で鳥インフルエンザの発症が確認された。七十九年ぶりのことだそうだが、対策をきちんとしないと大変な騒ぎになる。もう五年ほどまえに香港でも大発症し百万羽を超す鶏が処分された。昨年十二月からこの病気が蔓延している韓国も八十五五万羽とアヒル六千羽を殺処分にする予定だそだ。感染した鶏の肉と卵を食べてもヒトには感染しないとされるけれども、注意に超したことはない▼ただ接触で感染する例はあり香港では六人かが死亡しているし、ヴェトナムでも三人が死んでいる。日本の鶏から検出されたウイルスがH5N1という韓国や香港で流行しているのと同じなのも気になるところだ。感染した鶏の死亡率は極めて高く毒性も強い。農水省は病気発症の養鶏場で飼育している鶏の処分を決め付近からの出荷も差し止めたが当然の措置と言っていい▼狂牛病もだが鶏の病気も島国だからと呑気に構えているわけにはいかない。BSEは輸入した飼料からの感染らしいけれども鳥インフルエンザは渡り鳥のフンがウイルスを運んできたらしい。霞ヶ関のお役人は、こんなところにも気配りが大切なのを忘れまい。 (遯)
04/01/15