1月16日(金)
国際協力機構(JICA)の国別研修「消防技術・火災調査研究および防火公教育コース」にサンパウロ州消防軍警のジャイール・パッカ・デ・リマ総司令官、セウソ・エドゥアルド・ギデッテ補佐官の二人が参加する。研修期間は今月十八日から二十五日までの一週間、東京のJICA本部、東京消防庁などで行なわれる。
研修では(一)日本の消防行政の概要(二)消防博物館、東京都生涯学習文化財団・本所防災館の視察(三)消防科学研究所、東京消防学校の視察(四)火災予防教育――などを予定。ジャイール総司令官、セウソ補佐官とも、日本は初めてという。
一万人の消防署員を有し、一日当たり八百件の出動があるサンパウロ州消防軍警。ジャイール総司令官は、地震や洪水、森林火災など国・地域ごとの災害対策が必要とし、「大きな目的は消防科学研究所の視察。火災の原因を発見することが大切。実験や研究分野での技術や消防学校も興味深い」と語った。また、「まだ始まったばかりだが、日伯の消防員の交流にも務めたい」などとした。
セウソ補佐官は、訪日について、「非常に楽しみしている」とし、日本の伝統や文化、経験に基づいた消防技術の研修に意気込みを見せた。
JICA職員によると、東京の消防学校は世界で最も教育体制が進んでいると讃えられる一方、ブラジルには消防学校が二校しかなく、まだ、十分ではないらしい。「大都市のサンパウロで消防学校のマニュアルを作成すれば、全国に広がる可能性がある」と期待が込められている。