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Funaiがインジオ扇動=農場の占拠教唆=ゼッカ南マ州知事が告発=大統領、平和解決を指示

1月17日(土)

 【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】ブラジル各地の先住民たちがデモ抗議運動を繰り広げている。なぜ、北から南までの七州で、ほぼ同時にデモを始めたのか? その謎の鍵が、国立インジオ基金(Funai)にあると示唆する記事がエスタード紙に掲載された。―十二月二十二日から始まった先住民の農場占拠デモ運動の件で、マット・グロッソ・ド・スル州(MS州)のジョゼ・O・M・サントス知事(通称、PTのゼッカ)は十五日、ラジオ・エウドラードでのインタビュー中、Funai同州本部に対し、「MS州最南部ジャラポラン地方のカイオヴァー族とグアラニー族先住民たちが農場を占拠するよう教唆する、最低な連中だ」と厳しく批判した。

 ゼッカ知事はまた、名前は出さなかったものの、「同地域を担当する職員の不当な活動を黙認している」とFunai・MS州本部長官を告発した。同本部長官はマルシオ・ジュスチーノ氏である。
 「十三日、Funaiの専用車が、マット・グロッソ州(MT州)のテレーナ族の先住民たちをMS州に連れてきたという確実な情報が入っている。MS州での衝突をあおるためだ。さらに、FunaiがNGO団体の協力を得て、パラグアイの先住民六百~千人まで同州に連れてくる計画の情報も届いている」と、同知事は語る。
 ゼッカ知事は十四日、ブラジリアで開かれたルーラ大統領とマルシオ・T・バストス法相との会談で、Funaiに対する告発事実を報告した。これを受けたルーラ大統領は、メルシオ・ゴーメスFunai総裁に十六日MS州へ行き、先住民たちが農場から平和裏に立ち退けるように保証せよとの命令を下した。
 ゼッカ知事によると、先住民がこれほど〃過激な行動〃をとるのは、〃多くの人々が影で糸を引いている〃からだという。ゼッカ知事は、前政権時代に任命されたFunaiMS州本部長官の更迭を訴えている。「Funaiは先住民問題を政府機関に報告する義務がある。だがジュスチーノ長官は州や司法機関、連邦警察のいずれにも姿を見せない。このような問題が起きた時に、先住民側と友好的に交渉をする意思もないようだ」。
 MS州では十五日、弓矢と槍を持ったカイオヴァー族とグアラニー族の先住民たちが、ラミーロ・ロッケンバーフ連邦検事とテレビ取材班、カメラマンを人質に取った。
 オジロン・デ・オリヴェイラ連邦裁判事が、同州最南部イグアテミー市とジャラポラン市の十四農場から先住民に立ち退きを命じており、それを先住民側に伝えるために同検事が派遣された。
 ロッケンバーフ検事と取材班は同日、先住民の占拠地区を訪れた。だが先住民たちは叫びながら彼らを取り囲み、ほぼ四時間にわたって突き飛ばしたり、武器で脅したりした。だが、銃器は見られなかったという。
 先住民側はその後、「脅していたのではなく、農場から強制的に立ち退かせようとする権力に対し、我々が最後まで戦うという、戦意のデモンストレーションだった」と説明。「また、ここに戻ってきたら、今度は帰れないと思え」と、占拠運動のリーダーは警告した。
 先住民たちは占拠運動開始から現在までに、計二十二人を人質に取った。全員数時間後には解放されている。
 ロッケンバーフ検事は解放後、オリヴェイラ判事の仮処分命令は現状にふさわしくなく、連邦検察庁は措置の取りやめを上級審に申し立てると表明した。「占拠されている農場がある土地は、確実に、元々先住民のものだった」と断言している。
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 [ロライマ州の先住民問題]同州ボア・ヴィスタ市で、ラポーザ・セーラ・ド・ソル先住民保護地区の境界線問題に反対する先住民八十人が、コントン川にかかる橋を再び占拠し、同州北東部ウイラムタン市への道路を閉鎖している。先住民たちは先週も、同様の抗議運動をしていた。