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エイズ治療薬を値引き=政府、製薬大手と交渉=調達コスト37%の節減

1月17日(土)

 【時事、エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】ブラジル保健省は十五日、政府が無料で配布している十五種類のエイズ治療薬のうち、これまでに五種類について製薬大手との交渉で一〇―七六%の値引きを実現したと発表した。
 これによって〇四年の治療薬調達コストは、前年比三七%減の五億八百万レアルに収まり、無料配布の対象も二万人増やすことができるという。
 同国政府は昨年十一月、エイズ治療薬アタザナバーの七六%値下げで米大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブと、また同治療薬エファビレンツの二五%値下げで米大手メルクと合意。さらに、スイス大手ロッシュ、米大手アボット・ラボラトリーズなどとも、治療薬値下げで同意を取り付けた。
 この結果、〇四年の患者一人当たりのエイズ治療薬調達コストは、九九年以来最も低い三千四百レアルに下がり、治療薬無料配布の対象も十四万八千五百人に拡大した。コスタ保健相は「値引きによって、すべての国民に必要なエイズ治療を施すという政府計画の継続を保証できることが、最も重要だ」と交渉の成果を強調し、値引きに加え、子ども用エイズ治療薬の寄付と期限切れが迫った治療薬の在庫の交換についても合意を得た。
 ブラジル政府は〇一年、政府が「緊急事態」と認定した場合、特許所有企業の意思に関わらず他企業にコピー製品を認めた同国の特許法の発動を宣言。昨年九月には、世界貿易機関(WTO)加盟国が医薬品の特許緩和で合意したのを受け、特許期限の切れたエイズ治療薬のコピー薬輸入の原則自由化を発表し、製薬大手との交渉で価格引き下げを強く求めていた。
 ブラジルのエイズウイルス感染者は六十万人と推定されているが、このうち診察を受けたのは三分の一程度。同国政府は九六年から治療薬の無料配布を始め、エイズに関係した死者を半減させており、世界保健機関(WHO)はブラジルの取り組みを途上国のエイズ対策のモデルとみなしている。

 

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