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新種恐竜の化石発見=アマゾン古生物学に新風

1月17日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙、時事十四~十六日】リオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)の研究者らは十四日、マラニョン州のアマゾン密林地帯で、約一億一千万年前に生息していた新種の恐竜の化石を発見したと発表した。ブラジルで発見された化石の中では最古とされる。高温多湿のアマゾンは動植物の死骸が風化しやすく、古生物学の研究は無意味だとされており、従来の定説を覆す発見といえる。
 同大学のカンジド・S・フェレイラ教授(八四)が一九九〇年、同州イタペクルー=ミリン市のイタペクルー川周辺を調査中、ある骨片につまづいた。始めは牛の骨だと思ったが、骨の密度などを研究していくうちに、恐竜の骨の可能性が強くなった。恐竜の化石は、他種のは虫類や魚類の化石とともに発掘され、UFRJで分析研究が続けられた。
 同大学のイスマール・S・カルヴァーリョ氏とレオナルド・S・アヴィラ氏、アルゼンチンのコマウエ国立大学のレオナルド・サルガド氏の研究者三人が十五日、研究結果を発表。体にしま模様があり、首は長く、大人しい顔つきをしている模型も公開した。五十年前から同地を研究してきたフェレイラ教授は感涙した。
 発見場所の名を冠しアマゾンサウルス・マラニェンシス(Amazonsaurus maranhensis)と名付けられた恐竜は、草食性で竜脚類のディプロドクス科に属す。全長十メートル、体重十トン前後と推定され、竜脚類の中では最も小型の部類とみられている。
 ブラジル国内ではこれまで、竜脚類チタノサウルスの化石が発見されたことがある。今回の化石は、アフリカ北西部で発見された恐竜の化石と共通点が見られ、同大学は「南米とアフリカの両大陸が、かつて一つだったことを示すものだ」と分析している。