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サンバで米観光客を歓迎=リオ市が苦肉の策

1月17日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙15日】リオデジャネイロ市のトン・ジョビン国際空港で、一足早いカーニバルが開催されている。疲れる入管登録を終えた米国人たちの機嫌直しに、エスコーラ・デ・サンバ(サンバ学校)『マンゲイラ』が歓迎サンバを披露しているのだ。
 入国直後の米国人観光客らは、突然美しいムラッタ(黒人と白人の混血女性)たちに取り囲まれ、びっくり。嬉しそうに一緒に踊りはじめる人もいた。米国人観光客に対する歓迎サービスは13日から実施されている。
 米政府が査証を必要とする入国者に顔写真撮影と指紋採取を義務付けたことに反発したブラジルが、米国人だけに同様の措置をとっている。リオ市はこの報復措置の取り消しを申し立て、連邦裁判所もリオ市のみ同措置の取りやめを認めていたが、連邦政府は断固として「登録続行」を命令。イメージダウンと観光産業への悪影響を懸念したリオ市が、考えをめぐらせたあげく思いついたのが歓迎サービスだった。
 13日には、バラの花1輪やヴァリグのハンカチ、宝石店『H. Stern』のデザインしたポン・デ・アスーカルのペンダント、「Rio Loves You(リオはあなたを愛しています)」と書かれたTシャツ1枚を1セットとしたプレゼントが、米国人観光客の1人1人に配られた。
 連邦警察は15日から、リオとサンパウロの国際空港で顔写真撮影および指紋採取システムをデジタル化した。インクを使った指紋採取方法では時間がかかりすぎるため、新システムで米国人の待ち時間を減らし、ブラジルのイメージ回復を図るのが目的。2月21日のカーニバル開催を控えたリオは、何としてでも観光客を喜ばせようとてんてこ舞いだ。