1月17日(土)
福島県いわき市の自宅で今月十二日、首をつって自殺した金賀英彦県出納長は〇二年八月、在伯福島県人会創立八十五周年に佐藤英作久知事代理として出席、同県出身の移住者と親交を温めており、関係者は同氏の自殺に驚きを隠せないでいる。
「三カ月ほど前に日本で会ったばかりです。訪ねていったことを非常に喜んでくれたのに」
桜井仁前会長は日本からのニュースをすぐに、受け入れられなかった。式典当時は会長職にあり、一緒に収まった記念写真も数多い。以後、二度訪日、その度に県庁を訪問、言葉を交わした。
「自殺するような素振りなんか、ひとつも見せなかった」
管野鉄夫評議委員会長は「え、何ですって?」と二の言葉が続かない。
「中南米高校生短期研修制度」が発足、ブラジル・ペルーから四人が十六日に、日本に向けて発つ。中南米の日系人高校生との交流を目的に、県が昨年度からスタートさせた。
記念式典のおり、県人会が金賀出納長に要請、実現したもの。当初は七、八月の夏休みを利用する予定だったが、諸般の事情で遅れた。第一期生を出迎えることなく、命を断ってしまった。
小島会長は「何度も懇談会も持ち、議論を重ねました」と語り、同氏が身近な存在であったことを明かす。昨年五月に、会長就任のあいさつのため県庁を訪問、研修制度の最終調整を行った。「自分の使っているものまで、プレゼントしてくれて本当に感激したんだけど」と声を落とした。
県人会は国際課から連絡を受けて、十三日、FAXで弔問文を送付、同氏の死を悼んだ。