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コラム 樹海

 昨年から憲法論議が活発になってきたのは大いに喜ばしい。民主党の菅代表は党大会で「憲法改正を提言」し、憲法公布六十年にあたる〇六年までに「新たな憲法の在り方を示したい」と宣言した。これまで護憲であった社民党の又市征治幹事長もが、九条と前文の他は改正に柔軟な姿勢を見せたのもコペルニクス的な方針転換と見たい▼野党第一党の党首が公の場で改憲を口にしたのは初めてながら、護憲を看板にして政界を生き抜いた土井たか子氏が率いた社民党が軟化したのが大きい。菅代表が憲法改正案を纏める考えを表明したのを受けて小泉首相も改正に意欲を示し記者会見まで開いて「民主党との協議に期待感」を寄せるなどの改憲論が政界に於いて一気に花開いたの印象が強い▼憲法についての議論がこうも盛んになるのは、衆参の憲法調査会が来年始めまでに報告を纏めるが決まっているのが影響している。これに加えて国民の憲法に対する意識が変化していることも見落とせない。昨年の暮れに日本世論調査会が実施した結果によると、改憲を容認する人々は八割を突破している。この傾向は読売新聞の調査でも同じであり、注目すべきは若い世代に改憲派が多い事実である▼無論、具体的に何処を改正するのかの議論は大い舌戦を交わしたい。九条を含む安全保障もあろうし環境権や人格権の問題にも論を広げる必要があるのは当然である。集団的自衛権にしても、解釈憲法の限界は目に見えている。今すぐに改憲は無理にしても、その日のために備えての論議を盛んにしたい。   (遯)

04/01/17