1月21日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】国会議員らに特別手当を支払って召集する臨時国会が十九日に開かれた。だが、開会時にはジョゼ・サルネイ上院議長(PMDB=ブラジル民主運動党)もジョアン・パウロ・クーニャ下院議長(PT=労働者党)もおらず、国会会議場にいた議員はわずか五十人だけ。同午後六時までに出席した国会議員は、下院議員百四十五人と上院議員四十人の計百八十五人。今週表決されなければならない議題は下院止まりの時限立法(暫定令)案一つのみ。臨時国会は二月十三日まで開かれ、しかも欠席した議員約四百人にも特別手当が支払われる。マスコミの予想通り、非生産的な会議となった。
二十日間にわたる臨時召集によって政府が国会議員ら(上院八十一人、下院五百十三人)に支払う特別手当は、月給の二倍の二万五千四百四十レアル。この時期は本来、国会は休会だが、休み中も議員の給料(一万二千七百二十レアル)は支払われている。
この二十日間の臨時国会に費やされる特別手当総額は約五千万レアル。表決されなければならない議題は上院には全くない。下院の暫定令案が一つあるだけだ。さすがに表決時に欠席すると特別手当はカットされるが、それ以外は欠席しても手当がもらえる仕組みになっている。エスタード紙は「国庫の無駄遣い」と厳しく批判している。
一日に政府が特別手当に回す費用はいくらだろうか? 計算すると約二百五十万レアルになる。これは一日に最低賃金の一万四百十六倍の金額を臨時国会に使っていることになる。
サルネイ上院議長は先週、母・キオラさんが死去したため、現在服喪中。ブラジリアに向かうのは、初七日のミサを済ませてから。二十二日以降になるという。
一方、クーニャ下院議長は、十八日からブラジリアにいるが、臨時国会を開くことに反対し、その抗議として開会式には出席しなかった。だが午後の部には参加している。
国会でのPT副リーダーであるルイジーニョ議員は、「国会は上院・下院議長によって開かれるものだと憲法に定められているはず」と指摘し、開会時にクーニャ議長が出席しなかったのは、国会側が議長らの立場を無視したからだと説明している。
今週国会が表決する暫定令は、一月八日から下院止まりになっている庶民居住特別計画(PEPH)創設案である。「今年は市長選もあるので、国会にとって短い年となる。早めに議員を召集することによって、多くの政策の施行を進められる」と、上院PTリーダーのアロイージオ・メルカダンテ議員は説明している。
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[今年度の予算]
ルーラ大統領は今年の目標を「ブラジルの成長」だと公約していたが、十九日、今年度の予算を発表する際、一月の投資額に限度を設ける暫定令も発効した。フォーリャ紙は、「政府が今年度の収入を分析し、必要とあらば予算をカットする気でいる」と報道している。今年の予算総額は四十三億二千百九十六万九千レアルとなっている。