1月21日(水)
[既報関連]イタリア食品大手パルマラットのブラジル子会社に対し、サンパウロ州裁判所は十九日、同子会社の資産売却を禁じる命令を出した。債権者である三井住友銀行の申し立てを認めたもの。十九日付、各伯字紙が報じている。
ブラジル三井住友銀行の法人部門統括責任者、クラウジオ・グリマウジ氏はロイター通信に対し、パルマラット本社の経営破たんに伴う資産の国外移転を防止するのが目的と説明。「子会社には操業休止をしてもらいたくない」などと語っている。
パルマラットは、ブラジル国内でスイス同業ネスレに次ぐ第二の牛乳買主として、乳製品などを中心に手広く事業を展開していた。十二月のイタリア本社破たん後、ブラジルでも一部に代金未回収が生じたとされるが、ブラジル子会社は十六日、遅れていた二千五百四十万レアル(約九億六千五百万円)の代金支払いを済ませたとしている。
子会社は先週、ブラジル中部のゴイアス州にある工場従業員百二十人の一時解雇を発表するなど、経費節減に取り組んでいる。一方、ブラジル農業省は国内の酪農業界団体などと協議を重ねるとともに、国立銀行を通じた融資や牛乳の政府買い上げなどの緊急対策を検討している。