韓国で、特殊部隊が起した実際の悲劇をベースにした映画「実尾島(シルミド)」が大ヒット中だ。一九六八年、北朝鮮の武装工作員三十一人による青瓦台(韓国大統領官邸)襲撃事件を受け、韓国政府は報復措置としてKCIAが主導し、北朝鮮の首都・平壌の主席宮襲撃を任務とする特殊部隊を創設した。
部隊には死刑囚や無期懲役囚などが集められ、仁川沖にある小さな無人島・実尾島で〃地獄〃の訓練を受ける。その間、国内の政治情勢が急変し、出撃命令が下らないまま訓練だけの三年四カ月が過ぎ去った。
そして七一年八月二十三日未明、部隊は〃生殺し〃の不満を爆発させ、訓練隊長と監視兵を殺して島を脱出。仁川に上陸してバスを乗っ取り、青瓦台目指して爆走。ソウル大方洞で軍隊に包囲され、バスの乗客を解放した後に全員が手投げ弾で自爆――。
あまりに凄まじい実話なだけに、平和なブラジルの暮らしが有難い。 (深)
04/01/21