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学移連=50周年に向け準備始動=世界のOBらと交信へ=メーリング・リスト=「夢・ベテラン」運用=移住者団体では珍しい試み

1月23日(金)

 ハイテク交信で五十周年を盛り上げよう――。旧日本学生移住連盟のOB会(日比野亘幹事)の新年会が二十日夜、リベルダーデ区のカラオケ居酒屋ポルケ・シンで行われた。来年創立五十周年を迎えることから、インターネットのメーリング・リスト「夢・ベテラン」を使って情報交換を緊密にする方針を発表するなど、独自の存在感を打ち出した。

 「来年の五十周年には日本から多数の来賓が予想されます」と日比野幹事は発表、受入れ体制などについての協力を求めた。それに対し、参加した約二十人は、盛大な拍手で歓迎の気持ちを表わした。今まで周年行事を行ってこなかった学移連だが、五十周年には大きな期待を込めている。
 第一回実習団十二人の一人として一九六〇年に来伯した大束員昭さん(おおつか・かずあき 六五 福島県)は昨年、南米関係のOB会名簿を作成し、ブラジルの八十四人、パラグアイの六人、アルゼンチンの三人などの連絡先を確認した。
 その時、「もっと頻繁に交信する機会が持てないだろうか」という希望が寄せられた。従来、サンパウロ周辺在住者を中心に顔合わせ行事は行われてきたが、OBは全伯どころか日本や南米全域、カナダ、アジア諸国にもいる。国境を越え、なおかつ簡単に交信できる方法とは?
 そこで、大束さんはインターネットのメーリング・リスト(以下ML)を使うことを考えた。MLとは、電子メールを入会者全員が同時受信するシステム。例えば、何か全員に伝えたいことがあれば、ML宛てにメールを一通発信すれば、自動的に入会者全員に同時に届く。
 商工会議所などの新来日本人の多い団体や、二世三世の若者が中心の団体では、すでにMLはよく知られたシステム。だが、パソコン利用を前提とするため、今のところ移住者中心の組織で運用しているところはほとんどない。その意味では画期的な試みともいえそう。
 昨年十一月十六日からML運用を始め、ブラジル在住者を中心にアルゼンチン、パラグアイ、日本の学移連関係者十九人が参加している。一月十日にOBの一人、パラー州モンチ・アレグレ植民地の岸靖夫さん(農場経営)が亡くなったことも、MLを通して瞬時に伝えられ、みなを驚かせた。
 同MLの名前は「夢・ベテラン」。大束さんは「夢を持って学生時代を過ごしている人が、今ベテランになってどういう夢を見ているか? という意味を込めました」と命名の理由を説明する。
 現在のところ、OB中心のMLとなっているが、「これから先は学移連OBだけにこだわらず、世界各地で専門分野のベテランとして活躍しておられる皆さん方が、電子メールを使って楽しく同時交信できるようになれば」と大束さんの夢は広がる。
 今回の新年会で参加を呼びかけた結果、新たに九人が加わった。学移連関係者で参加したい人、もしくはこのシステムに興味のある人は大束さん(o.kazuaki@uol.com.br)まで電子メールを。