1月29日(木)
サントス港に降り立った移民に馴染み深いヴァロンゴ駅の改修工事がこのほど、完成し、二十三日夜、関係者にお披露目された。同市は二十六日に市制四百五十八年を迎えた。同駅の改築祝いを皮切りに市内各所で様々なイベントが繰り広げられた。市はジョゼ・メニーノ海岸に姉妹都市公園を整備。下関市から江島潔市長、中谷紀由市議、中田博昭市議ら六人が祝福に駆けつけた。
ヴァロンゴ駅は港からほど近いサント・アントニオ・ヴァロンゴ教会そばにある。イギリス系のサンパウロ・レイル・ウエイ社が一八六七年に建築。市民だけではなく、移民の足としても親しまれた。
市の重要歴史遺産の一つだが、建物の保存にかかる費用が捻出出来ず廃墟同然になっていた。同市を訪れた故マリオ・コーヴァス・サンパウロ州知事(当時)に窮状を説明、州が資金の一部を援助した。市も予算を組み、ようやく修築にこぎつけた。
ベット・マンスル市長は式典でコーヴァス知事の業績を称えるとともに、「街の歴史の一部分がまたひとつ、保存された」と喜んだ。
二階建てのうち一階部分に市の観光局が入ることになっている。来月一日までは「Festival Caros Amigos─Tributo do aos─Imigrantes e Cidade─Irmas」が開催中だ。
姉妹都市の下関、長崎両市から贈られたポスターや鎧兜が、展示されている。第一回移民船笠戸丸の写真パネルもある。
海外にある十三の姉妹都市のうち、ウシュアイア(アルゼンチン)、コンスタンタ(ルーマニア)、アロウカ(ポルトガル)、フンシャール(同上)、コインブラ(同上)、アンシオン(同上)、下関の七市が、式に合わせて来伯。サントスとの絆を確認し合った。
七年ぶり二回目のブラジル訪問になる江島市長は「距離が遠いから交流は大変。でも同じ港町であることや歴史が古いという共通点もあり、いろいろな情報交換ができるはず」と話していた。