1月30日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十九日】二十八日午前、ミナス・ジェライス州北西部ウナイー市(ベロ・オリゾンテ市から604キロ)から五十キロ離れた場所で、同地方のフェイジョン(豆)農場を監査しに来ていた労働省の監査取締官三人と運転手一人が全員頭部を撃たれて死亡する事件が発生した。連邦警察(連警)は、四人が〃処刑〃されたとみて捜査を進めており、ミナス州と連邦政府の捜査班が設置された。
取締官三人は二十六日から同地域で監査活動をしていた。労働環境や所得額などを監査するのが目的。フェイジョンの収穫期間は一月十五日から二月末まで。その間、農場に寝泊りする労働者の宿泊所や農場施設自体の状況もチェックされる。昨年の監査では、現地の政治家が労働者を奴隷扱いしていたことが明らかになっていた。
警察によると、事件が起きたのは同州ウナイー市やパラカトゥー市、ボンフィノポリス市への主要道路である州道188号線付近。セッテ・プラッカスとの名称で知られる場所だ。
瀕死の重傷で四キロ先まで運転し、農場主に救助を求めたアイウトン・P・オリヴェイラ運転手(五二)によると、同日午前八時ごろ、取締官三人を乗せたパラカトゥー市地方労働警察署(DRT)所有のフォード・レンジャー車を運転中、突然黒いレンジャー車と灰色のフィアット・ストラダ車に襲われた。
同日午後一時ごろ、ブラジリアのバーゼ病院で死亡した同運転手は、警察に「黒いレンジャー車から二人の男が銃撃してきた」と証言した。警察によると、犯人らは四人の頭を狙撃したという。
ところが、現地のフェルナンデス軍警官は同日午前八時四十五分ごろ、「セッテ・プラッカスでまだ意識がはっきりとしていた運転手を見つけ、ウナイー市の救急病院まで運んだ」と話している。
軍警は運転手から、「道に迷った運転者に止められたが、実は強盗だった。犯人は携帯電話を盗み、次々と乗員を撃っていった」という話を聞いたという。
殺された取締官の一人、ネウソン・J・シウヴァ氏(五三)は昨年、パラカトゥー市の自宅に三回強盗に入られており、侵入未遂だけでも五回に及んだという。連警とDRTは、三人が脅迫されていなかったかどうかを捜査する。
ウナイー市農村労働組合のイルモ・カザヴェキア組合長(五一)は、「三人は生産者の知り合いだった。以前からお世話になっている仲だ」と嘆いている。
二十九日にジュネーブの国連本部で会議するルーラ大統領は、取締官殺害事件の知らせを受け、「連警も労働省も人権擁護局も事件を重視し、捜査に務めている。犯人を必ず突き止めたい」と言明。ジョゼ・アレンカール副大統領は同午前十時にベロ・オリゾンテ市へ向い、取締官らの通夜に出席する。