2月5日(木)
【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】二日サンパウロ市を襲った暴風雨で、同西部モルンビー区ヴィエーラ・ダ・パス貧民街に住む女性が自宅で溺死していたと、サンパウロ州の伯字紙が報道している。サンパウロ市内で雨による犠牲者が出るのは二年ぶり。同日大サンパウロ市圏では各地で洪水が発生し、地下鉄の駅の屋根が吹き飛ばされる被害が出たにもかかわらず、サンパウロ州水道局(SABESP)は今週中に、「過去最大の節水を実行に移す」と発表する可能性があるという。
現実にはありえないような対策が施行される恐れがあるわけは、「雨が水源地や川などに降らず、水量が著しく低下しているカンタレイラ複合貯水池の水位が一向に上がらないから」である。
カンタレイラ複合貯水池は四つの貯水池からなり、大サンパウロ市圏に在住する市民の半数(約九百万人)に給水している。三日の同貯水池の水位は、総水量のわずか五・五%でしかなかった。
マウロ・アルセサンパウロ州エネルギー・水資源・衛生局長官は同日、節水の可能性があることを全面的に認めた。
一方、二日の大雨で洪水に見舞われ、雨量も市の平均以上だった西部モルンビー区では、同日午後六時ごろ、エジレーネ・C・ソウザさん(二七)が自宅で溺死する事故が起きていた。自宅に濁流が押し寄せてきた時、壁が崩れてエジレーネさんが下敷きになり、逃げ遅れたという。
夫のマヌエル・フォルテさん(二八)は、六歳の息子を屋根裏に避難させていた。その後すぐ、妻も避難させようとしたが、妻の頭は水の下で、すでに意識がなかった。
南部カンポ・リンポ区に住むカルラ・G・パッソスさん(三一)は、三人の子供が家の中で溺れないように、タンスの上に避難させた。水が引くまで四時間もかかったという。サンパウロ市は同区の八十家屋を倒壊の恐れがあるとし、立入禁止にした。
同日濁流が押し寄せてきたモルンビー区のサンパウロ・サッカークラブは、被害総額が五十万レアルを超えると計算している。スタジアムの更衣室三室や同クラブのプール、合成芝生のコートなどが泥水や土砂で茶色に染まった。
ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(PSDB)は三日、屋根が吹き飛んだ東部地下鉄タトゥアペー駅を訪れ、「被害総額は三十万レアルに達する」とマスコミに述べた。同地区の学校でも、屋根の九五%が破壊された。
マルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT)も同日、市内の被害を確認するため西部ブタンタン地区ジャルジン・ジュサーラ区を訪問。そこで同区の住民の女性から市政を非難され、口論を始めた。二人のケンカは同日、バンデイランテスTV局で報道された。