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ネスレのガロット買収認めず=公正取引委が決定=150日以内に資産売却へ=低所得者向け製菓を

2月6日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】公正取引委員会(CADE)は四日、スイスの食品大手ネスレによるブラジル製菓大手ガロットの買収を認めないとする決定を下した。ネスレは二〇〇二年二月、贈答用チョコレートなどで人気のガロットを二億五千万ドルで買収。両社を合わせたチョコレート市場のシェアは、板チョコで六一・二%、装飾用で八八・五%に達する。この決定によってネスレは百五十日以内に、チョコレート市場でシェア二〇%未満の第三者に、ガロットの株式や資産を売却しなければならなくなった。

 財務省経済対策局(SEAE)や法務省権利局から条件付き承認が、同件について提議されていた。CADEの突然の決定は、関係当局を驚かせた。ネスレはCADEの決定を不服として、上訴する模様。
 ネスレのガロット買収に対し、米クラフト・フーズや英キャドバリー・シュウェップスが、公正な競争を阻害するとしてCADEに異議を申し立てていた。ブラジルでは一九九九年、飲料二社が合併し巨大企業ベビーダス・アメリカス(AmBev)が誕生した際も、ライバル社が異議を申し立てた。CADEはこの時、一部のビール銘柄バヴァリアと工場の売却を条件に合併を認めていた。
 ネスレの買収前、エスピリト・サント州のヴィラ・ヴェーリャ工場を主力とするガロットは、倒産寸前にあった。同工場の従業員三千人に対しネスレは、CADEの決定を遺憾としながらも安心して職務に精励するよう伝えた。
 二〇〇二年にガロット買収を競ってネスレに敗れた英キャドバリーが、再度買収に食指を動かしているとCADEは述べた。CADEの措置は、下層階級向け低価額のキャンデーやチョコレート製造を目的としたものといわれる。