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技術が失業を招来=リオ大がラ米経済調査

2月12日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】先端技術は、ブラジルが開放経済政策を採用した一九九〇年から〇一年までに、千七十六万人の解雇につながった。輸入は百五十四万人分の仕事を奪った。
 この結果は、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)の要請でリオデジャネイロ国立総合大学が調査し算出された。同委員会はラテンアメリカの雇用と生産の関係について調査を依頼した。チリ、コロンビア、メキシコにも同様に依頼した。これら四カ国で十一年間に、千二百三十万人が失業し、最終的に三百二十四万人の雇用が現在確保されている。家内工業は千百九十六万人の雇用を創出し、輸出は三百五十八万人の雇用を創出した。
 同委員会のクピフェル担当は、十一年間に三百二十四万人の雇用増は、年間に百五十万人から百八十万人が新規に採用されることを考慮すれば納得できる数値だと説明している。
 労働市場の十部門のうち、先端技術の開発によって最も多く解雇されたのは農牧部門で八百九十八万人が失業した。次が製造工業部門で三百六十三万人、公営企業部門九十万二千人、建築部門七十五万七千人と続く。
 十一年間の労働生産性の伸びは、農牧部門が年間平均五・一二%、公営企業部門が一・二一%、建築部門が一・二三%だった。石油精製部門は八・八%の伸びを記録した。
 クピフェル担当は、ブラジルは〇二、〇三年の経済資料を見ても、技術の導入が経済成長に必ずしも反映されていないのが問題だと指摘した。ブラジルは、ルーラ大統領が一千万人の雇用を創出すると公約しているが、農業離れ、近代化が加速されていることなどを考慮に入れると公約の実現は容易ではないと観測している。