辻元清美元衆議は執行猶予つきながら懲役二年の有罪判決。社民党の国会議員は衆議六人・参議五人と減った為に小泉首相や有力政党らとの党首会談への出席も断られる始末。五五年体制の下で自民党と対決し政治の動きを左右した往年の姿はすでに消えた。今の社会民主党の勢いは衰退の一途を辿り無人の谷底へ落下するような印象を人々に与える▼そんなところへ福島瑞穂党首と又市征治幹事長が、先に可決された改正外為法の採決に棄権したことを深々とお詫びし陳謝したという。この法案に対して社民党の衆議ら六人は賛成しているのに参議の福島党首と幹事長の又市氏が「造反」してか棄権の道を選んでしまった。何のことはない政党のトップが党の約束事を破ったのだから―その責任は重い▼この法案は、特定の国名を名指ししているのではないが、北朝鮮を対象にしたものである。日本独自の判断で送金停止や資金凍結、輸出入規制などを可能にしたものであり、もし実際に発動されれば北朝鮮の受ける影響は限りなく大きい。旧社会党の頃から北朝鮮との関係は極めて近い。北朝鮮系の経営が多いとされるパチンコ業界からの献金疑惑▼北朝鮮の「拉致」はないと主張してきたのも社民党なのである。拉致事件については、謝罪声明を出したけれども、社民党と北朝鮮の繋がりは今も深い。そうでなければ、福島党首らの「造反劇」は理解し難い。党内分裂は大袈裟にしても、衆議と参議の分列行進は公党にとっての大きな傷と見たい。 (遯)
04/02/14