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サンパウロ市の保健サービス 貧富の格差拡大=新生児死亡率に地域差=先進国並みのピニェイロス区

2月17日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十六日】マルタ・スプリシー氏(PT=労働者党)が二〇〇〇年にサンパウロ市長職に就任してから、貧しい人と裕福な人に対する保健サービス面での格差が大きくなったことがこのほど、サンパウロ市地区役所の統計によって明らかになった。すでに保健サービスのレベルが良かった地区はそれ以上に改善され、悪かった地区はさらに悪化した。
 生後一年の新生児の死亡率(市内平均)は、マルタ市政一年目の〇一年には、千人(死産は入らない)当たり十・六人だったが、〇二年には千人当たり十五・五人に増加している。
 〇一年に新生児死亡率が最悪だったのは北部ペルス地区役所担当地域で、西部ピニェイロス地区役所担当地域の死亡率の二・一倍だった。〇二年には、二・八倍まで増加している。
 〇二年に新生児死亡率ワースト1となったのは東部シダーデ・チラデンテス地区役所。前年より二九・一%増の千人当たり二十三・九人を記録している。
 三十一カ所ある地区役所のうち、十一地区役所で新生児死亡率が増加しており、最大増加率を記録したのは東部イタイン・パウリスタ地区役所だった。
 一方、西部ピニェイロス地区役所は、〇一年、〇二年と続いて最低新生児死亡率を記録。〇一年には千人当たり九・五人だったが、〇二年には八・四人まで減少させることに成功している。この数値は先進国であるスイスや日本での新生児死亡率に近いという。
 連邦政府、サンパウロ州、サンパウロ市の間で決められた〇二年度の新生児死亡率の目標値は、千人当たり十四・四人だったが、実際の数値は千人当たり十五・〇八人に留まり、目標に達することはできなかった。
 世界保健機関(WHO)がブラジルの目標値として指定した〇〇年度の新生児死亡率は千人当たり三十人だった。サンパウロ市保健局感染症担当のマルコス・ドゥルモン・JR氏は、「サンパウロ市が目標とした千人当たり十四・四人の数値は、これだけ減少するための保健管理ができていない状況を考えると、楽観的すぎた目標値だったと言える」とみている。