サンパウロ市の動物変死事件続く=事故か毒殺かなぞ=ゾウ、ラクダなど13頭死亡
2月18日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十六日】サンパウロ市南部のサンパウロ動物園と、同園の隣りにあるサファリ公園「ズー・サファリ」で、動物変死事件が続いており、一月末から二月十四日までに計十三匹の動物が死亡している。
無味無臭で危険性が高く、ブラジルでは使用が禁じられている殺鼠(さっそ)剤による毒死が死因。だが何者かによる毒殺事件か、それとも不運な毒死事故かどうかは断定できず、警察はなぞに包まれた事件に頭を抱えている。
十四日午前七時ごろ、動物園の飼育係は園内を巡回し、「動物たちに異常はなかった」と報告。だがそれから約一時間後、警備員から「バイソンが死亡している」との知らせがあった。
同時刻に、ヒトコブラクダが痙攣(けいれん)を起こしているのを別の職員が発見。毒を食して間もない症状である。職員たちは必死にラクダの救助に当たったが、死亡した。
その後飼育係が、現在絶滅危機のアジアのオランウータンのカレン(メス)の遺体を見つけた。この動物は園内で死亡した動物の中でも珍種とされており、カレンはブラジル唯一のメスだった。
動物園とサファリ公園内には計三千五百匹の動物がいるが、すでにゾウ一頭、チンパンジー三匹、バク三頭、ヒトコブラクダ四頭、オランウータン一匹、バイソン一頭が死亡している。解剖後、動物の死がいは肥料になるという。
この事件に対し警察は、三つの仮説を発表している。
(1)雨水に混ざった殺鼠剤が檻(おり)の中に入り、動物がなめた。この場合、動物園が毒を使用した可能性も捜査中。
(2)足に毒を付けたネズミが檻内に入った、あるいは毒を食べたネズミが檻の中でフンをした。それを動物が誤って食べた。
(3)園内で動物を故意に毒殺している犯人がいる。
サンパウロ大学(USP)のアントニー・ワン医師は、(2)の説の可能性はまずないとし、動物が毒殺されたと主張している。同医師は、ラクダが痙攣を起こしたことから、十四日に死亡した動物には新たに同種の殺鼠剤が使われたとみている。
動物園とサファリ公園は警備を強化し、通常通り開園している。
本紙既報の情報を含めた、これまでの事件のいきさつを掲載する。▼一月二十四日 動物園でチンパンジーのトーニ(十四歳、オス)の毒死死体が発見される▼同二十七日 サファリのヒトコブラクダのマキット(七歳、オス)死亡▼同二十九日 サファリでバクの子供のメランシーア(七カ月)が死亡。動物園でもバク一頭(メス)が死亡▼同三十日 動物園で、チンパンジーのナンシー(二十四歳、メス)とバク(十八歳、オス)が死亡▼同三十一日 動物園でゾウのバイラ(三十三歳、メス)が死亡▼二月三日 サファリでヒトコブラクダのマリーザ(七歳、メス)が死亡▼同六日 動物園でチンパンジーのフェリペ(二十歳、オス)とヒトコブラクダのマンシーニャ(七歳、メス)が死亡▼同十四日 動物園でオランウータンのカレン(メス)、ヒトコブラクダ一頭(オス)、バイソンの子供一頭(メス)が死亡。