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貯水池一帯に降らぬ雨=都市中心部が吸収=ビルの高温で上昇気流発生

2月19日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十五日】夏が来ると大サンパウロ市圏はいつも、洪水と水不足の両方に悩まされる。これだけ雨が降っているのに水不足になる説明も「雨が間違った場所に降るから」。要するに、雨は都市部に降り、貯水池や水源地地方には降らないという。なぜ、雨は都市部に引き寄せられるかのように降るのか? 雨でいっぱいの重たい雨雲が貯水池の方になかなか行かない理由は何だろうか?
 気象専門家によると、高層ビルなどが密集する都市部で、ヒートアイランド現象(以後、〃熱島〃現象)が起こるからだという。〃熱島〃は、環境問題などの心配を一切せずに、無計画的に建設された高層建築物などが多くある地域にある。その巨大な熱源が激しい上昇気流を起こし、湿った空気を巻き込んでいる。
 「都心部で雨が多い」。これは世界中で頻繁に起きている現象だが、大サンパウロ市圏の場合は世界の例とは少々違う問題がある。大サンパウロ市圏の場合、これらの〃熱島〃は、海から吹く風の通り道にある。
 海の湿気を運んで雨を降らせるという重要な役割を持つこの風は、南東部から大サンパウロ市圏に入るが、貯水池のあるサンパウロ市南部や同北部へ届く前に、中心部や東部にある〃熱島〃に行く手を阻まれてしまう。〃熱島〃地域は、市内の他地域と比べると気温が五度ほど高い。
 熱い空気の中には、強力な運動エネルギーを有する大気粒子が多く、これらの粒子は大気の上層部へ早く移動する傾向がある。主に、熱い空気は軽いといわれるのはそのせいである。この粒子が、海から来る風を引き込んで上昇するのだ。
 海の風に含まれる湿気を含んだ熱い空気は、上層部で急激に冷やされ、雨雲に変わる。多量の雨を含み、重くなった雨雲は、そのまま〃熱島〃の上に雨を降らせる。北西から吹く風に少々押されて、サンパウロ市東部極端や同南東部で豪雨を降らせることもある。
 〃熱島〃の上空に海の風が上ると、爆発的な量の雨が降ることが、サンパウロ大学地球物理天文学研究所(IAG/USP)大気科学部のアウグスト・J・ペレイラ・F教授、レイナウド・ハース教授、テルシオ・アンブリッツィ教授の研究で明らかになっている。
 三人の研究によると、一九九九年から二〇〇二年までの間にサンパウロ市で洪水を発生させた大雨のうち、六〇%が〃熱島〃に海の風が吹いてできた雨雲によって降ったものだという。
 こうして〃熱島〃地域で嵐を引き起こした雨雲は、遠い北部カンタレイラ複合貯水池や南部グアラピランガ複合貯水池まで雨を運ぶことができなくなる。
 その結果貯水池は、夏場の大雨より、寒冷前線で運ばれる雨によって水の恵みを受けることが多いのだ。さらに市民の水の無駄遣いや大サンパウロ市圏の給水政策の悪さなどの要因も重なり、貯水池の状況は年々、著しく悪化している。
 サンパウロ市防災庁の情報によると、〃熱島〃のある中心部や東部は一月、約三百ミリの雨量に達した地区が多かった。それに対し、貯水池のある北部や南部の雨量は二百ミリ未満に過ぎなかった。

 

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